既存ブロック塀耐震診断講習
先日、福岡市で「既存ブロック塀等の耐震診断に関する講習」を受けて来ました。
今回は九州で講習があるのは、福岡会場のみでしたので九州全域から約260名の出席者が集まりました。
近年、地震によるブロック塀等の倒壊による災害が相次いで起こりました。
昨年は、全国の学校や保育園等で、ブロック塀等の安全点検調査が行われておりました。
また、既存ブロック塀の上部を撤去して、新たにフェンスを設置している光景があちらこちらで見られておりました。
今回実施された講習は「避難路沿道の義務付け対象となる一定規模以上のブロック塀等」の耐震診断を行う為の講習でしたが、今後、その適用範囲が広がって行く事も予想されます。
今までの既存ブロック塀等の点検は、「経年劣化の状況」「新設する場合の基準に適合した構造か」等、簡易的で比較的に解り易いものでした。
今回の講習では簡易的な調査が細分化され、さらに塀の一体性や転倒などの構造計算等が追加されておりました。
また、耐震改修についても、補強の方法の適否の構造計算や、補強前と同様に補強後の塀の一体性や転倒などの構造計算等が追加されておりました。
擁壁の上部に控えて設置されたブロック塀についても、不適合とされる擁壁と塀の位置関係、擁壁の構造計算等が追加されておりました。
あまりにも難しくなりすぎて、高くて古いブロック塀等はそのほとんどは、解体して造り替えるか、高い部分を撤去するしか、対処出来なくなって行きそうです。
地震災害に法整備や基準の制定が間に合っていない様で、しばらくは難しい状況が続きそうです。
ブロック塀の設計図面や施工中の配筋写真があれば、ブロック調査で求められる隠蔽部分の調査がスムーズに進みます。
最近も、市街地を車で走っていると、住宅等で新たにブロック塀が設置されているのを見かけますが、基準に満たない構造の物や、安易に擁壁替わりになっている様な物も見受けられます。
新たにブロック塀等を設置される方は、ブロック塀等の施工者に事前に設計図面又は施工図作成、提出、施工中の基礎、配筋状況の写真撮影、提出を求め、記録を残して置く事が必要になって行くと思います。
by_S.Y.